プライスアクショントレーダー

Dix-Murrayの短期売買法

第一章:成功への第一歩

第1章:成功への第一歩

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私のもとを訪れた友人は、「どうやっても勝ち続けることができないんだ」といった。

彼の使っているチャートを見ると、平均足をメインに移動平均線が5本、ボリンジャーバンドの2σ、サブチャートにMACD、ADXが入っていた。

 

「これで何をみたいんだい?」そう尋ねると、彼は困ったような表情を浮かべた。

「ディックス、正直いいと言われたものを入れているだけなんだ」

 

インディケーターはとても便利なものだ。移動平均線は指定期間の平均値を示してくれるし、ボリンジャーバンドはボラティリティを視覚的にとらえやすくしてくれる。だがそれらはあくまでも補助でしかない。にもかかわらず、多くのトレーダーたちがインディケーターに絶対を求める。特別な設定期間さえ見つけ出せば、誰にも分らない相場の動きをそのオシレーターが示してくれるとでもいうように。

 

インディケーターの害は、それをいれることにより重要な価格から視点が遠ざかってしまうことにある。無意識のうちに移動平均線のクロスやオシレーターのヒストグラムの僅かな動きにばかり目が奪われてしまい、相場をミクロ視点でしか見れなくなってしまう。自分では絶好のタイミングでポジションを形成したと思ったのに、いざ振り返ってみると「なぜこんな狭いレンジ帯のなかでトレードをしたんだ?」と頭を抱えることになる。口座履歴に残った大きな損失を悔やみながら。

 

私は基本的にローソク足しか表示させていないが、だからといってインディケーターそのものを悪いといっているわけではない。私もDMAやWSTOというインディケーターを使用することもある。だがそれはあくまでも補助であり、重要なのは値動きそのものだ。インディケーターをいれることでその重要な値動きをおなざりにし、遅行指標の動きを追っても意味がない。

 

どちらにしても、あなたがどんなインディケーターを使うにしろ、そこに絶対を求めてはいけない。ノースショアの波よろしく、時に荒れ狂う生きた相場において、カスタマイズしたインディケーターの示すサインだけで勝ち続けることなどできはしない。ましてや決まった条件でサインを表示させるツールが何を与えてくれるというのだ。

先にも話したように、どのインディケーターであってもそれはあなたが価格そのものを見る際の補助でしかない。そしてそれをひとつの武器として使おうと思ったのであれば、「それを何故いれるのか」「それで何が見たいのか?」を答えれるかが大切だ。

 

MACDを入れているのであれば、チャート上から何を拾い上げようとしているのか? ADXはどうだろう、ストキャスティクスはどうなのか? あなたがいま見ているチャート上にあるそのインディケーターについて答えることができるだろうか。もしも答えることができないのであれば、それは不要なものだ。取り外して身軽になるのが賢明だ。

 

 

インジトレーダーからの卒業

私もかつて、インディケーターに常勝トレーダーたちの秘密が隠されていると信じてやまなかった一人だ。だがそれも負けが続き、1000万の損切を経験したとき、その努力の先に私の求めている聖杯など存在しないと悟った。相場は生き物であり、遅行指標に頼ったトレードでは、遅かれ早かれ私は退場していることになっただろう。

 

 

遅行指標を捨て、私が注目したのは本来みるべきもの。そう、価格変動そのものだ。

ローソク足が形成するサイクルに目を向け、マクロからミクロに視点を移す。この時、私が使うのはひとつ。フィボナッチリトレースメントだ。

 

 

フィボナッチは移動平均線などとは違い、先行指標と呼ばれる武器になる。ローソク足がこれから向かう先にあらかじめ抵抗帯となるポイント(私たちはゾーンと呼ぶ)を見つけ出し、そこに来るまで待つ。レートがゾーンに到達してきたら私たちの仕事が開始される。プライスアクションに注目し、チャンスと見ればためらうことなく売買を執行する。

 

 

STOPも予め定まっているし、利確ポイントも明確だ。そのリスクリワードは大体1:2~1:3となり、リスクゼロ戦略を使用すればそれ以上に利は伸びる。当然のことだが。

私たちは特殊なインディケーター使うこともなければ、サインに従うようなトレードを行う事もない。そのやり方は古きもので、いまのシステム寄りのトレードから見れば時代遅れなのかもしれない。

 

だが、レートが織りなす波形は私たちに必要な情報を提供してくれる。それらはインディケーター以上の優れた情報なのは間違いない。

 

「いいかい、ビル」私は言った。

「もし君がそのMAやMACDをただ何となく表示させているとしたら、それは意味がないどころか害でしかないよ」

「・・・害かい?」

「そうさ。戦場には強者が溢れている。彼らに負けないように小銃やガトリングといった武器を武装しまくれば、強くなったように思えるだろう。だけどだ、もしその武器を適切に使えないのであれば、君は何十㎏もの重りを背負って敵地に乗り込んでいるようなものさ」

彼は少し考え頷いた。

「扱えもしない武器を背負って身動きがとれずに居る者をなんというか知ってるかい?」

「なんだい?」

 

「カモさ」

 

もしいまあなたが思うように結果が出ていないのだとしたら、チャートを白紙に戻し、ローソク足だけを表示させてみることを強くお勧めする。そして注意深く観察することだ。そうすれば、相場そのものが買うべきか、売るべきか、それはいつかをあなたに教えてくれるだろう。

相場はシンプルである。その相場を難しくしているのは、トレーダー本人なのだ。

 

Dix.Murray(ディックス・マーレー)

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