プライスアクショントレーダー

Dix-Murrayの短期売買法

第五章:順張りと逆張りの論争

第5章:順張りと逆張りの論争

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トレンドフォローとカウンタートレードの議論は終焉を迎えない。
あるトレンドフォロー派は、どこが天井になるかわからないのに売りを入れるなんてリスクが高すぎると主張する。

これに対しカウンタートレーダーは、売買の本質を持ち出す。
「なぜ高くなっているものを買わなければならないんだ?安くなったときに買うのが本質だ」

 

私はカウンタートレーダーの主張に賛成だ。私たちが売買を行う際、安い価格で買い、高い価格で売り戻す必要があるからだ。だからといってトレンドフォローが間違っているとは言わない。結局それはトレーダーの見る時間軸でどちらの売買にもなりえるからだ。

 

「自分がトレンドフォローを狙うトレーダーなのか、カウンタートレーダーなのか、そんなものにこだわる必要はない」

その夜、テーブルを挟んで私はビルにいった。
外は激しい雨が降っていて、風が窓をガタガタ揺らしている。

 

「相場の本質から見た正しい売買を行っていれば、どこを切り取っても逆張りにはなるだろう。逆をいえば順張りにだってなる。

結局のところ、日足でみればベア相場だとしてもだ。そのなかの調整波を1時間で見ればブル相場を確認できる。

価格が強気で上昇しているところで買った場合、トレンドフォロー派は押し目などのフォローを取ったと思うだろう。だが日足でみた際、それはベア相場で買うことを意味し逆張りになりえる。

逆に上昇傾向から転換する際に売ったカウンタートレーダーたちはこれが逆張りだというかもしれないが、同じように日足でみればそれはトレンドフォローだということだ」

 

「言われてみればそういうことになるね」

 

「そう、だからトレンドフォローなのかカウンタートレードなのか、そのどちらが正しいのかなんていう議論にはなんの意味もない。

これは軸が変わっても同じだ。1時間ではベア相場になっていて、そのなかの上昇時を5分足などでみれば大きな上昇トレンドが発生していることだろう。

この上昇からの転換を狙えば5分足では逆張りになるが、1時間足では押し目を拾った順張りになるということ。見る時間軸の組み合わせではどちらにでも取れるということさ」

 

Five minutes

 

an hour

 

 

2人のトレーダーの異なるポジション

S&Pで私が買いポジションを持った時、メンバーのひとりは売りポジションをもっていた。同じ時間軸を見ていたにもかかわらず、私たちのトレードは異なっていたのだ。

 

だが結果的に、私たちは共に利確をした。これはカウンターで狙おうが、トレンドフォローで狙おうが、重要のは優位性であるということを教えてくれている。

ショートポジションを形成したメンバーは数十分もしないうちに手仕舞いを行ったが、それは彼の考えた売りの優位性がそこまでだったからだ。その間、私は含み損を抱えていたが、まだ私の優位性は崩れてはいなかった。その後、価格は上昇し、1時間程して利確をおこなった。

 

獲得した利益は私の方が大きかったが、だからといってこの相場で売りを仕掛けるのは愚の骨頂だといえるだろうか? 上位から見てブル相場であり、買いを仕掛ける場だったとしても、それは私の優位性であり、押しの下落を狙っていた彼の優位性ではない。

 

彼は買いに傾く相場でロットをあげて売りを仕掛けた。私が取らないリスクを彼はとってリターンを手にした。それだけのことだ。

確かに正しい売買は存在するだろう。だがそれは全員に当てはまる100%の答えにはならない。どんなトレードをしていようがそこに優位性があり、柔軟に相場に向き合い、そして勝ったものが正しいのだ。

 

もう一度言おう。数十分で3000ドルのリターンを手にしていたトレードが、自分のトレードとは違っていたから間違っているなどと、誰がいえるだろう。

 

 

ポジション形成直後に訪れる逆行と損切

勘違いされないように言わせてもらえれば、先のメンバーがいつもリスクを最大限にとってトレードをしているわけではない。その時のS&Pの相場において、深めの押しがくるという根拠が彼のなかで積みあがったということだ。きっとレートが数ポイント逆行したら彼は躊躇うことなくポジションを切っただろう。

自分がいかにリスクを取っているか理解しているからこそ、逆行しても再度売られてくるなどとは考えない。逆行すれば潔く切る。もしかしたらシナリオを構築して買いを形成したかもしれない。

 

逆に買いを入れた私もポジション形成から逆行して売りに傾く可能性だって十二分にある。相場の右側がどうなるかなど誰にも分からない。

どれだけ予測をしたところで大口でも入ってくれば相場は崩れるものだ。だから私たちは相場の右側の動きを100%分析しようなどと考えてはいけない。

相場に完璧は存在しないし、いつも表情を変える。だから私たちは常に不確実なものに投資を行っているのだと理解しておかなければならないのだ。

 

トレードは、売りより買い、買いより売りの優位性が見て取れたらポジションを取り、優位性が違っていたら切る。これだけだ。

 

だが、上昇している時に買いが優位だからと言って、どこでも買いを入れるべきではないのは誰もが理解できるだろう。それでも価格が上昇している時、高値掴みをしてポジション形成後に下落に巻き込まれ損切をするトレーダーは多い。こうした場合、日足や時間足がベア相場にもかかわらず分足しか把握せず、それを上昇トレンドだと認識してしまうことにある。

 

「想像してみて欲しい」私はいった。

「ビル、君はいま長い道をひたすら歩いている。くたくたになったとき、前方に続く右肩あがりの道に目をやり、君はこの道がずっと登坂になっているんだ、と認識するかもしれない。

 

 

だがその道を上空から見下ろすと、それは長い下り坂の一時の上りにしか過ぎないかもしれない。

私たちは自分たちの立ち位置から現状を判断してしまうが、いま自分のいる場所が実際はどうなっているのかは、自分の目線ではなく大きな上からの目線で捉えなければ分からない。

これと同じように、上昇トレンドのなかで買いポジション形成した直後、浴びせられた売りに損を抱えたトレーダーは、大きな視野でその相場が大きな下落のなかにあることを見落としていることが多い。

もし買いを形成しても、それは長く保有するべきではない相場だと理解しておかなければならないし、リスクを大きくとるのであれば注意深く相場を観察して利確していく必要があるんだ。先に話したセブンメンバーの売りの時のように」

 

トレードで重要なのは、優位性のあるポイントまで待つこと。そもそも何を待っているのかを理解する必要がある。私たちメンバーであれば、ブルーノシステムというブレイクを軸にした状態が完成するまで待ったり、という感じに。

 

何にしても自分の想定する優位性のあるポイントまで待ち、そのポイントに達したらトレードを行う。決して想定外は作らず、根拠が崩れれば手仕舞いをする。

その流れがトレンドフォローなのか、カウンタートレードなのかはどうでもいいことなのだ。

 

 

 

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