プライスアクショントレーダー

Dix-Murrayの短期売買法

第七章:プライスアクション

第7章:プライスアクション

更新日:

 

私のトレードスタイルは不要なインジケーターを全て外し、値動きで形成されるサイクルを分析することにある。

 

ダウを形成するN波動、上昇と下落に見られるAとVサイクル。この組み合わせに注目しながら、「ミレニアムフォース」「タワーオブテラー」といったサイクルパターンで売買を行う。

サイクルのパターンはシナリオ構築と実際の売買ポイントを絞るものである。これに対し、プライスアクションは実際の売買時のタイミングを計るために利用する。

 

「これは私が売買を行う際に見るプライスアクションのひとつだ」

私はビルにいった。

 

「もちろんこの前の段階でミレニアムフォースなどのサイクルを確認していることは理解しておいてほしい。単純にキャンドル1つで売買を決めているわけではないということだ。いいかい」

「Ok,ディック」ビルはソファに腰掛けなおすと、私が示すキャンドルに目をやった。

 

 

プライスアクションパターン:転換アイバー

転換時に形成される足で私が注目しているのは、髭である。

これはGBPJPYの15分足だ。

 

前半は上昇、後半は下落からのレンジがこのチャートの状態。

注目してもらいたいのは、中央にある高値の場所。上昇から下降へと転換している場面で実体以上の長い上髭を出している陽線が確認できるだろう。

 

 

 

 

「ビル、君はここをどう見る?」

「そうだな」ビルは顎をさすると、それほど難しい問題ではないというような顔でチャートを指さした。

 

 

「前半は上昇傾向にあるが、中央高値になっている場所ではダイバージェンスを起こしている。次の高値はディック、君が言ったように長い上髭を付けた陽線。

これは実体に対して、大きな髭を引いていてこの上に強い売り勢力がいることを示している。中央高値からも切り下げが起きている場所だし、次の陰線も高値を切り下げて上髭を付け、売りの強さを示している」

 

 

 

私は頷いた。

「ビル、君がいうように、上昇時のダイバージェンス、実体に対して長い上髭などは、その上に強い売り勢力の存在がいると言える。

また君がいったように、ここは高値を切り下げてきたポイントでもある。高値を更新し続けている段階での転換判断よりも売るのに対して優位性は高い。

ここで見てほしいのは、通常上昇時の強い上髭が売りの強さを見る為のバロメーターのひとつになっていることだ。

だが私が見るプライスアクションのひとつ「転換アイバー」はこれとは逆になる」

 

「逆?下髭ということかい?」ビルが首をかしげる。

「そうだ。私が注目しているのは上昇時であれば下髭をつけた足の存在だ」

 

語弊がないように言っておきたい。私がここで下髭に注目しているというのは、上昇時の上髭は見ていないということではない。それは通常のプライスアクションとして有意義な情報を我々に与えてくれる。

私がいっているのは、上髭に注目しているのは間違いないが、サイクルでみる売買のタイミング足として下髭の存在が重要になるということだ。

 

ではこれを見てほしい。

 

 

これは先ほどと同じGBPJPYの別場面である。

状況は同じように前半は上昇からの下落に向かいレンジになってきている局面だ。この時の枠で指示した場所の足を見てほしい。大陽線の後に下髭をつけた陰線を形成しているのが分かるだろう。これが「転換アイバー」と呼ぶキャンドルになる。

 

このキャンドルは転換アイバーは、ひとつ前の足と合わせた2本、ないしは転換アイバー後の足を合わせた計3本のフォーメーションで見ていく。

 

 

転換アイバーの定義

転換アイバーの基本定義はこうだ。

前の足が陽線の場合、その終値または高値をブレイクすることなく、次足が確定する。確定した足が実体の50%以上の下髭をつけ(下落時はこの逆で上髭になる)、実体を20%ほど残している状態。

 

チャートで実際に確認してみよう。

 

 

 

先ほどと同じ場面。赤枠の中には転換アイバーがある。

この時、A)の大陽線に対し、次足B)の高値がA)の終値から高値のゾーンを上抜くことなく確定しているのが分かるだろう。

この段階で下髭が実体に対して50%以上になっており、実体の大きさを確認しても転換アイバーになっているのがわかる。

 

「なぜ大きな下髭であるのに、ここ買いにならいんだい?」ビルが言った。

「通常の考えであれば、高値も切り下げていない、尚且つ目立った下髭が存在している。ここから買われてもおかしくないと思うんだが」

 

「もちろん状況次第ではあるのは間違いないよ、ビル。だからこそこの転換アイバーは、いやすべてのキャンドルフォーメーションは第一にサイクルの認識が重要になってくる。

それを理解しておいてはじめて、意味を成すのがプライスアクションだ」

 

 

これは先ほどと同通貨の4時間足になる。

右の赤い縦線が転換アイバーを捉えている局面である。この場面みて見れば大枠でブルとベアのどちらに優位性があるのかが見えてくるだろう。また転換アイバーが形成された場面は意識される節目の場所に位置している。 

 

 

 

 

「こうした上位の状態に合わせ、転換アイバーの定義を考えてほしい。

簡単にいうとだ、下髭はそこから更に上を目指そうと入れた買いがいることを示していることになるね。だが一度大きく買いを入れたにもかかわらず、その足は前足の高値をブレイクすることができなかった。

もしそこに重要な節目があるとすればだ、買い手にとってはそこが天井になっているかもしれないと印象付ける。逆に上位足から下目線の場合、売り手にとっては重要な節目を守った、と士気を上げることに繋がるだろう。

また今回の場面で言えば転換アイバーの前にダイバージェンスも確認できる。これは売り手にとって追い風になるだろうし、買い手にとっては手仕舞いの根拠となる」

 

転換アイバーは重要なプライスアクションのひとつだ。だがそれは売買を行う上での歯車のひとつにすぎない。売買を行うだけの根拠を拾い集めるなかで見つけ出した根拠のひとつなのだ。

 

これを何も考えずお構いなしに売買していれば、それは資産運用ではなくギャンブルトレードになり下がることだろう。

それはまた、あなたの資産を失うリスクを高める行為になることを忘れてはならない。

 

 

更に深い思考を持ったトレードを実現するために

この転換アイバーは私がトレードを教わった投資家が使うパターンのひとつである。私のサイクルトレードのなかのミレニアムフォース、タワーオブテラーといった売買手法も、その投資家に与えられた戦略になる。

なにより、相場に対しての思考を学べたことがいまの私のトレードを形作っているといっても過言ではない。

 

私が直接トレードを教えることはしていないが、私の売買法のすべてはここで学ぶことができる。学ぶ為にはかなり狭き門になっているが、いまを変えたいのであれば、私のように挑戦してみるといいだろう。

数年前。何も失うものはないと、僅かなチャンスにかけて門を叩いた、あの日の私のように。

 

Unlimited限定コミュニティ メンバー募集開始

 

 

 

 

 

-第七章:プライスアクション
-, ,

Copyright© Dix-Murrayの短期売買法 , 2019 All Rights Reserved.