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Dix-Murrayの短期売買法

第十一章:順張りブレイク戦略

第11章:順張りブレイク戦略

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ビルに伝えた「移動平均線×サイクル理論」の売買は、彼のトレードを大きく変えた。実際、どこで買いが入り、どこで売り勢が参入してくるのかをみていくサイクルを使えば、移動平均線などのインジケーターも不要であるのは確かだ。

 

だが移動平均線を1ついれるだけで相場がクリアに見えるのも確かである。同じように、私がこの売買方法前に使用していたボリンジャーバンドも相場のボラティリティ、方向性を視覚的に見やすくしてくれる。

 

 

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、アメリカのジョン・ボリンジャーが考案したテクニカル指標で、中央に位置する移動平均線に「標準偏差」を盛り込み、上下に乖離させたバンドがボリンジャーバンドとなる。

 

 

ボリンジャーバンドはこれまで多くのトレーダー達が逆張り指標として使ってきた。その理由が、価格の約95%がバンドの±2σ内で推移し、バンド域外に出たものは異常値とみなすためである。

 

バンドの内側で推移することが大半なのであれば、レートがバンドに接触したところで逆張りを狙うことは有効である、という考えが、ボリンジャーバンドを逆張り指標とするところだろう。

 

だが考案者のジョン・ボリンジャー氏自身、「ボリンジャーバンドは逆張りの指標ではない。バンドの外側に終値が位置しているということはトレンドの発生、もしくはトレンド継続を示しており、反転シグナルではない」と明言している。

考案者が逆張りの指標ではないといっているにも関わらず、多くのトレーダーは「これは逆張り指標だ」と頑なに首を縦に振らない。

 

そしてその多くが大きなトレンドのなかでナンピンをして資産を失うことになるのだ。

 

 

ボリンジャーブレイク戦略

ボリンジャーバンドは先でいったように逆張り指標として使うものではなく、トレンドフォロー(順張り)として使うためにある。

 

ここでは私が「移動平均線×サイクル」の売買前に使用していたボンリンジャ―ブレイク戦略を説明する。ご自身のチャートでしっかり検証していただきたい。

 

ボリンジャーブレイク戦略は、ボリンジャーバンドで環境認識を行い、下位足のブレイクでポジションを形成する。

 

まずはボリンジャーバンド指標を表示させた1時間足。

 

縦線の間を切り取ってみた場合、売り方向に力が傾いている。このチャートはもちろん止まっている相場だから何とでもいうことはできるだろうが、一番左端から見ていたとしても、高値は切り下げ、安値を更新しベア勢が相場の主導権を握っているのは明白だ。

 

レートはボリンジャーバンドのミドルライン下を推移し、ボリンジャーが逆張り指標でないこともあるため、ここで買いの逆張りを入れる余地はない。

 

ブレイク戦略では、まずは上位足にあたる時間足でトレンドが明確であるかを確認することだ。上チャートのように下落トレンドが明確であれば、ブレイクを用いる。

 

 

これは先ほどの1時間足の縦線で示したポイントの15分足になる。

 

 

チャートを少し拡大させてポイント部分を見てみよう。

 

 

ここで狙っていくのは、ブレイクする場面である。ブレイクを狙うという事は、ブルとベアの力が拮抗していなければならない。チャート上で力が拮抗する場面は、ボックス、ペナント、アセンディングトライアングル、ディセンディングトライアングルといったレンジ状態となる。

 

レンジはブルとベアが一定の区間内で引き合いを起こしており、参入者が増えるたびにその上下に損切注文がたまっていく。

 

実際、どちらにブレイクするかは誰にも分からない。だが、ブレイクをするとたまった損切を巻き込み価格は一気に動き出す。その為、レンジ状態になったポイントにフォーカスすることが、このブレイク戦略の鍵となる。

 

 

先ほどの15分足でブレイク戦略に該当するレンジはここだ。

 

レンジには幾つかのパターンが存在するが、ブレイク戦略でみていくのは、チャートで示したポイントにあるアセンディングトライアングル、ディセンディングトライアングルパターンになる。

 

アセンディングトライアングルは、安値は切り上げているが、高値はほぼ同レベルの水準で止まっている。

この場合、買いのブル勢が少しづつ売りの防壁ラインを打ち破ろうと前進していると想像できるだろう。同レベルの水準にある高値には売りの損切が存在し、ここの壁を破られるとレートは上へと延びていく。

 

その為、この上昇ペナントであるアセンディングトライアングルは上抜けしていくのがセオリ―といえる。

ただし、1時間足レベルは売り優勢ポイントになっているのが先のチャート上で明白になっている。

 

この場合の15分足レベルのアセンディングトライアングルは、セオリー通りの上昇ではなく、前進している買いの力を打破し、再度売りの流れに戻っていきやすくなる。

 

 

そのブレイクした場面がここだ。

 

1時間足でボリンジャーバンドは右肩下がりに傾き、高値も切り下げる下落トレンドの中にある。

このなかで15分足がアセンディングトライアングルを形成しブルとベアの拮抗状態を形成した。これがボリンジャーブレイク戦略で売り注文を入れる場面となる。

 

 

その後、価格は上位足の流れに沿って売りが加速していく。

 

武器をどう使うか

ボリンジャーバンドも移動平均線も相場で戦っていく武器である。自分が手にする武器がどんな特性を持っているのかを理解しておかなければそれを使いこなすことはできない。

 

これはインジケーターだけでなく、レートそのものも言えることだ。

そのサイクルでどこから買いが入りやすいか、売りが参入しやすいかを理解することで、相場の描くサイクルから売買ポイント、またリスクある場所をある程度見つけ出すことができる。

 

多くのトレーダーがいまだに聖杯を探して旅を続けている。

インジケーターの設定値には、億トレーダーへと続く道があると信じて疑わない。その旅はあなたに困難と無意味な時間だけを与えることになるだろう。

 

移動平均線を使えないというトレーダーもいる。ボリンジャーバンドなんてあてにならないというトレーダーだっていることだろう。

だが勘違いしてはいけない。

その指標が使えないのではない。トレーダー自身に力がなく、使いこなせていないだけなのだ。

 

Dix-Murray

 

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